2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧
背中に草のちくちくを感じながら寝転がっていると、ほんとうに自分というのは一人なんだなあ、と僕は感じていたのだった。 「冴えない顔してどうしたよ」 星くんが顔を覗き込む。きれいな白い顔だなあ。そりゃ人間もダイヤモンドだのなんだのと崇めるよね。 …
コイビトと喧嘩をしてしまった星くんはまるで萎れたキャベツのようで。 僕は白い折り紙を折って、カモメを作った。 「星くん、ほら、君の好きなカモメ」 僕の両手から飛び立ったカモメは羽を広げて紺色の空をゆらりゆらりと、紙飛行機の速度で飛ぶ。星くんは…