風景喫茶

備忘録(風景喫茶より)

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

昨日の夢「sprinkler」

深夜、車に乗っている。窓の外は透けるような青と黄色と深い緑のグラデーション。あたりは遥々とした平野で、地肌がむき出しの褐色と砂色の大地だ。時たま薄っぺらい影のような木がぽつんぽつんと生えている。煙色の闇が手の形をして地平線に伸びている。遥…

happy like honeybee「連想ゲーム」

卒業式に雪が降る。ふわりふわりと牡丹雪が落ちる。僕の黒いダッフルコートは肩に霜が降りたようになっている。桜の枝はまるで樹氷のようになっている。 空はじゃりじゃりと音がしそうな凍る空。鳩羽色のシャーベットみたいだ。蒸気機関車のように白い湯気を…

happy like honeybee「ドクターペッパーの櫛」

冬空。白っぽい曇り空に鳶が舞っている。ぐるりぐううるりと大きく弧を描く。川の上を随分沢山飛んでいるね、誰か死んでいるのかもしれないよ、と、洗濯物を干しながら母さんが言っていたのを思い出す。案の定、 「ねえ、川の上沢山飛んでるねえ。あれはきっ…

happy like honeybee「夕焼けシャボン」

クリスマスの匂いって、僕はあると思う。紙包みの放つ甘たるい匂い、キャンドルの淡い蝋の香り、クリスマスケーキの予感が放つ美味しい匂い。そんなものの、なんやかや。今時、商店街にだってジングルベルなんて流れないのだけど。 十二月の聖夜も間近な土曜…

happy like honeybee 「蝉と石と猫」

君って、チカダって言うんだね。蝉みたい。 初めて会った日に、最初に言われた言葉。 チカダハルオと一緒だね、とか言われることはあったけれど、蝉みたい、は初めてだった。 だって蝉ってcicadaだもん、と言う彼女は僕のことをそれ以来「蝉ちゃん」と呼ぶ。…

窓際の六人

大きな一枚硝子の窓。低めのソファに居心地のいいピアノ曲。如雨露から零れ落ちるような五月の光。テーブルの上にはシナモンコーヒーが二つ、アイリッシュコーヒーとブレンド、カフェオレ、マーマレードタルトに紅茶のシフォン。日曜日の、午後三時。 R 別…

土曜に見た夢「祖父のお菓子」

祖父と二人、青葉台の家で留守番をしている。 わたしはリビングにいるけれど、祖父は自分の部屋に閉じこもって俳句をひねっている(らしい)。 湿気で足の裏にべりべりとひっつく木の床。夏の匂いがベランダから流れ込む。古い建物なので天井が高い。四階で…