風景喫茶

備忘録(風景喫茶より)

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

フェンスの穴、プールの屋根

フェンスの穴を抜けると、スイミングスクールの屋根に上ることができた。フェンスは高台にあるマンションの廊下に面していて、その高台の下にスイミングスクールが建っていた。高低差が丁度スイミングスクールの屋根=そのマンションの一階で、『そのマンシ…

置いてけぼり

あれはいじめが終わった頃だから小学四年生だか三年生の終わりだったと思う。 昼休みに、三人の女の子たちに「学校終わったら遊ぼう」と誘われた。その子達はクラスの中では目立つタイプの子らで、もちろんいじめにも率先して加わっていて、そのときは誘われ…

昨日の夢「リリーさんにハロー」

白く明るい夏の道。アスファルトが乾いて土くさい。 自転車に乗っている。眺めのいい坂道で、ぐねぐねと上下の激しい長い坂が四方八方に広がっている。 頭上には銀色のモノレールが走る。風は強いが音はなく、人もいない。無音の夢って初めてかもしれない。 …

昨日の夢「梟、栗鼠ザル、モモンガではない何か」

黒いケーキを買いに行く。 青い道をまっすぐ行くとモノクロのケーキ屋があって、そこの中は色彩がない。 モノクロのケーキ屋に入ると私もモノクロになる。翳みたいだ。 店内はすっきりと広く四角く、ガラスケースは綺麗に磨かれている。明かり取りの窓が大き…

ウサギとドライブ

海沿いの道を、さくちゃんは青い車に乗って走ります。 「屋根のない車はさ、潮の匂いのするやわらかい夏の風が満ちていてとても気持ちがいいね」 と、となりに座ったウサギがふんふんとベージュ色の鼻をうごめかしながら言いました。 カーラジオからはフィッ…

硝子狂

今も昔も硝子が好きだ。ただの欠片でもいい。道端に落ちていても思わず見てしまう。 頂き物のお菓子の缶にはビー玉とおはじきをぎっしりと詰めてそれでも足らず、これまた頂き物の舶来品の大きなジャムの空き瓶にぎしりと詰めて持っていた。蓋を開けては眺め…

キッチンと夜

冷蔵庫を開けて、薄荷水を出す。透明な淡い水色は眺めるだけで涼しい。栓を抜くとしゅわりと微かな音がして、きんと冷たい香りが漂った。 油でべたべたとしたタイル張りの床は白と黒の市松模様で、野菜の屑やら乾いてかちかちに固まった豚だか牛だか鶏肉の破…