11/5、ねんこの時にしたおはなし
朔ちゃんとコグマさんはブロックでおふねを作りました。
「じょうずにできたねえ」「ほんものみたいだね」
朔ちゃんとコグマさんは大はしゃぎ。
すると、ぼわわわわん、おふねが本物のおふねになりました。
よいしょ、こらしょ、えんやこら
朔ちゃんとコグマさんはおふねを砂浜に運んで、海に浮かべました。
「すてきだねえ」
朔ちゃんとコグマさんはうっとり。
おもかじいっぱーい!キャプテン朔ちゃんが言うと、おふねはざぶーんざぶーんと進み始めました。
海は青くてきらきらです。人魚も海ぼうずも気持ち良さそうにぷかぷか。
「こんにちは」「こんにちは」
朔ちゃんとコグマさんは手をふりました。
「あ!みてみて!あんなところにちっちゃな島があるよ」
コグマさんがお手てを望遠鏡の形にして言いました。
「ほんとうだ!あそこにいってみよう!」
朔ちゃんもお手てを双眼鏡の形にして言いました。
ざっぶーん、ざざざざー
おふねは白い砂浜につきました。
二人の目の前にはきれいなくだものが沢山なっているジャングルがあります。
「いいにおい。ジャングルに入ってみよう!」
朔ちゃんとコグマさんはわくわくとジャングルに踏み込みました。
りんごやみかんやマンゴー、朔ちゃんとコグマさんは目をきらきらさせて、よだれもちょっとたらしながら次々に手にとってはぱくぱく食べながらジャングルの奥を目指します。
しばらくあるくときれいな滝の音がきこえてきました。
「おんがくみたいだね」「うたもきこえるね」
滝のまわりはきれいなみずうみでした。そうしてそのまわりでワニの家族がお歌を歌っているのでした。
♪わーにわにわにみどりいろー だけどもばななはきいろですー たべたらなにいろ?はっぱいろ!
楽しそうなワニのダンスに朔ちゃんとコグマさんも踊りだしました。
「やあやあこんにちは」
一番大きなワニのお父さんが朔ちゃんとコグマさんにぱたぱたおじぎをすると、お母さんとちっちゃな子どもたちもぱたぱたとおじぎをしました。ワニのおじぎはしっぽをぱたぱたとふるのです。
朔ちゃんとコグマさんも「こんにちは」とおじぎをしました。
「遠いところをようこそ。わたしたちのじまんのバナナをめしあがれ」
そういってお父さんは大きな葉っぱに山盛りのバナナをもってきてくれました。
ワニの赤ちゃんたちがうたいます。
♪わーにわにわにみどりいろー だけどもばななはきいろですー ばなないっぱいたべたならーちょっぴりあかるいきみどりさー
ワニの赤ちゃんは朔ちゃんのてのひらにのるくらいちびっちゃいです。かわいくて朔ちゃんはワニの赤ちゃんがだいすきになりました。
バナナを朔ちゃんは50本、コグマさんは80本も食べました。
かあかあとカラスさんが鳴いてます。そろそろおうちに帰る時間。
ワニの家族は砂浜まで朔ちゃんたちを見送りにきてくれました。
「またきてね」
ワニの赤ちゃんが、ぽろん、と涙を落として言いました。
「んん。またくるね」
朔ちゃんもコグマさんも、ぽろろん、と涙を落として言いました。
ばいばーい、ばいばーい
おふねは、ざぶぶーんざぶぶーん、とゆうやけこやけの海を走ります。人魚も海ぼうずもおうちに帰ったようです。
ざぶぶーん、ざざざー
おふねが砂浜に到着すると、ぼわわわん、とまたもとのブロックに戻りました。
朔ちゃんとコグマさんはブロックをポケットに入れておうちに帰りました。お月さまもばいばーい
おしまい