一昨日の夢 「かき氷」
昼日中の祭りの喧騒。
浴衣を着て義母と子どもと散歩がてら境内をぶらぶらする。
高く涼しい祭囃子と熱気の籠もった呼び込み。
りんりぃぃんりんりぃぃん、と横切る風鈴屋の屋台。
薄荷パイプを吸いながら歩くとまるで壊れかけのバラックのような氷屋があった。
色の抜けた「氷」の旗。
「ここの氷は冥王星産の氷です」
と、看板が立っている。一つ食べてみようか、と行列に並ぶ。
薄暗い店内に店員は顔の見えない男一人で、分厚い硝子の器に黙々と氷を削る。
「わたしは抹茶と練乳と白玉」
冷たい器の上にはまるで山のような氷。
こんなに食べられるかしらん、と思いながらスプーンで氷を口に運ぶと、途端、あたりはがらりと風景を変え、一人まるでビート板くらいの大きさの惑星に立っていた。
ちかちかと瞬く星が美しい、まるで吸い込まれそうな黒い天蓋、
と思ったところで目が覚めた。