風景喫茶

備忘録(風景喫茶より)

昨日の夢「沸騰する青」

砂浜に座る私は透明のパラソルの中にいて、空からは大粒の雨がこれでもか、というくらいに落ちてくる。

これは土砂降りというの。

透明のパラソル越しに見上げる空には雲はなく、まるで沸騰した青蒼藍碧、そこに黒を一点落として完璧なまでに不穏。

海は空の不穏さとは打って変わって、寄せては返すだけの凪の海。さざ波はちりちりと細かい音を立てそうなくらいに、細かく砕いた硝子片のように、光を反射する。あの光はどこから射しているんだ。

木杓でシチュウをもたりもたりと混ぜるように、空の青と黒は呼吸の速度で渦を巻く。暗さに満ち満ちた空は、それでもどこか透明で美しい。

ビー玉の色した海から黒い鳥と白い鳥が飛び立つ。

土砂降りの雨の中、黒い鳥はきらきらと弾けて黒い花火になる。

白い鳥は沸騰する空にぶつかり、巨大な入道雲になる。

花火の欠片がパラソルに穴を開けた。

黒い花火の欠片は半透明の碁石だった。碁石を海に投げたら海星になった。

爪先に何かが触れる。ヤドカリ。

全身に鳥肌が立つ。

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暗すぎる空と明るすぎる海。

何かに似ていると思ったら、マグリットの光の帝国の逆なんだ。