風景喫茶

備忘録(風景喫茶より)

月とピストル

三人の女。嘘つきが一人。

ピストルを片手に

一人目が言う。

「昨日、星をひとつ殺したの」

欠けたグラスを傾け

二人目が言う。

「私は二人の男と眠ったわ」

月を見上げて

三人目が言う。

「私は夢を紡いでた」

三人の女は目を閉じる。

二人は思い出を映すため。

一人は絶望を隠すため。