風景喫茶

備忘録(風景喫茶より)

ハンサムなダニエル

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夜色の窓硝子が嵌った大きな窓のある浴室にいる。窓硝子の向こうは夜空だが、窓を開けると朝の景色。タイル貼りの浴槽に湯は張っておらず、それでも湯気が立ち込める。W家の浴室に似ているけれどその5、6倍広い。銭湯みたいだ。
真ん中に置かれたテーブルで珈琲を飲む。おかわりは首の長い花瓶に入っていて気が悪い。グラスに注ぐとダイヤ氷ががらがらと音を立てる。窓の外の朝の中では作業員が配管工事をしていた。とんかんとんかん、高い音。眩しい陽光。でも窓を閉めれば夜の浴室。
ハンサムなダニエルが訪ねてくる。ダニエルは黒タートルに黒のハットでとてもシックだ。白髪混じりの口髭は嵐の後の雲の形に剃られている。どんな形かと問われれば困るが夢の中の私はそれが[嵐の後の雲の形]に見えている。その形アシンメトリーで素敵、と褒めると、両手に持っているシェーバーとシェービングクリームを見せながら、シェービングクリームはタリーズ製がベストだねと笑う。確かに黒のスチール缶には見覚えのあるロゴが入っていた。タリーズはそんなものも出してるんだな。クリームは珈琲の匂いなのかしら。スタバのはないのかな、と思ったところで目が覚めた。